スペインワイン BUDO YA

スペインにあるワイン専門店BUDO YAです。ワイナリー観光、クオリティワインのご紹介、ワイン関連の通訳・翻訳などを承っております。

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ワインの酸

「きれいな高い酸」というようなティスティングコメントを見かけたことがあるのではないでしょうか。

酸はワインにとって大切な成分で、フレッシュな味わいを生むのと同時に、保存性にも大きく関わってきます。赤ワインの場合は、フェノール化合物が保存性を高めるため、白ワインほど酸が問題にはなりませんが、どちらのワインも酸が強いものは長期熟成がうまくいきます。

ブドウに含まれる主な有機酸は、酒石酸、リンゴ酸とクエン酸です。酒石酸はきつい酸味が特徴で、リンゴ酸は青臭い酸味、クエン酸はレモンなどの柑橘系、マロラクティック発酵で発生する乳酸はまろやかな酸っぱさです。

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これらの有機酸は温度によっても味わいが変化し、リンゴ酸やクエン酸は5℃くらい、酒石酸は10℃くらいが一番きりっと感じ、高い温度では爽やかさが薄れてしまいます。乳酸は逆に低い温度では渋く感じ、20℃近くなるとまろやかに感じます。そのため、マロラクティック発酵をした赤ワインはやや高めが美味しく感じ、リンゴ酸やクエン酸を多く含む白ワインは低めに冷やした方が美味しく感じる、ということになります。

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ワインの酸を測る基準はふたつ。pHとTAです。

pHは、溶液中の水素イオン濃度を表す尺度で、数字が高いほどアルカリ性、低いほど酸性に傾いていると判断できます。平均的な白ワインは、pH3~3.3。赤ワインは、pH3.3~3.6と言われています。pHが低いと、亜硫酸がよく働くので添加が少量ですむという効果もあります。

TAは、酸度を表します。総酸度(Total Acidity)と滴定酸度(Titratable Acidity)があります。総酸度とは、ワイン中に含まれる有機酸の総量を表しますが、測定が困難なため、滴定酸度(ワインに水酸化ナトリウムを足していき、中性になるまでに必要な容量を測定)を近似値として用います。

普通は、酸性に傾いているワインはTAが高い(=酸味が強い)のですが、まれにアルカリ性に傾いているにも関わらず、TAが高いワインもあり、その場合は、味覚的には非常に酸っぱく感じられます。

他にも酸味の感覚に影響するのは、アルコールやタンニンの強さなどがありますので、また徐々に書いていきたいと思います。


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