スペインワイン BUDO YA

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ワインのタンニン

2016/12/03

ブドウのタンニンは、果皮や種子に多く含まれます。未熟なうちは、ブドウの実は葉っぱの色と同じ緑で目立たず、糖分を含まず、高濃度のタンニンと酸で渋くて酸っぱく不味いです。ところが種子が熟してばらまけるようになると、実は甘く熟し、葉っぱより目立つ色になります。こんな風に摂食阻害剤としての働きがあります。

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ワインの味わいを複雑にすることにも深く関わりますが、タンニンには、微生物からの攻撃を防ぐ働きもあり、例えば、リンゴの皮を剥くと茶色く変色するのがタンニンの働き(「傷口」に微生物が住み着きにくくする)です。酸化防止剤としての働きもあるので、ワインの保存性にも大きく関わります。

「タンニン」という言葉は、ワインとは切っても切れないものですが、実は化学の教科書的にはわりと曖昧な言葉で、植物由来の水溶性化合物の総称です。他の物質と結びつきやすく、分子の大きさ(重合度)も変化します。種子や枝に含まれるタンニンは、果皮に含まれるタンニンより小さな分子で、小さいタンニンは渋みではなく苦みをもつと言われています。

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タンニンの分子が大きくなるほど渋みは増えますが、ある一定の大きさを超えると今度は逆に渋みは減ってきます。つまり時間の経過とともに他の物質と結合して塊が大きくなると、澱となって樽や瓶底に沈み、そして渋みも少なくなります。これがワインを熟成させる主な目的で、わずかな酸素に触れさせながら、タンニンを変化させて飲みやすいものにしているのです。

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ところで渋みは、味覚(五原味:甘、酸、苦、塩、うま味)というよりも、「触覚」に近いものと考えられています。口の中の触覚とは、味や匂いを飲食物の口内の位置と結びつけ、その味や匂いの特性がその飲食物から来ていると判断することです。

ワインを飲んだときに、タンニンは唾液タンパク質と結合し、口の中で沈殿物となったものが渋みを生じさせます。また口内の表面を覆っているムチン(レンコンをすり下ろしたときのネバネバ成分もムチン)という成分もタンニンは取り除いてしまうので、口の中が乾いてシワが寄るような「収斂性」を感じることがあります。

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興味深いことに、ワインの渋みの表現には、「シルキーな」「ビロードのような」「粗い」「刺すような」など触覚を表す言葉がよく使われます。

もちろん渋みは、他の条件によって感じ方が変わります。酸度が高いほど渋く感じ、アルコールが高いほど渋みは弱くなると言われています。比較的低アルコールで、酸の高い冷涼系ワインの生産者が、タンニンの抽出を抑えようとする傾向があるのは、表に出やすい渋みを控えめにしたいためだと考えられます。


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