キンタ・エセンシア（D.O.トロ）の収穫レポート

２００６年創立の新しいワイナリーです。ベガ・シシリア社のピンティアとマウロ社のサン・ロマンの畑に隣接したトロ地方でも理想的なブドウ畑を持っているフェリンと、ベロンドラーデ・ルルトンの創立にも活躍した優秀な醸造家ラミロの二人が始めました。

彼らが考える、良質なワインに必要な条件は３つ。恵まれた土壌と、気候、そしてワイン作りにかける情熱です。 彼らは、しっかりとしたストラクチャーと色を持ち、フルーツが感じられ、樽熟成による丸みがあるけれども樽が強すぎない、ハーモニーが素晴らしく、バランスが良く、エレガントなワインを目指しています。

先日のリベイラ・サクラと違って、終わりが見えないブドウ畑。それぞれが管理する樹の列をまっすぐ進み、採り残しがないようにするそうです。

トロ地方は、リベラ・デル・ドゥエロよりも気温が高く、ブドウの糖度も１４°から１５°と高いのです。葉をとらずにわざとに日陰を残しています。

収穫する人はアルバイトなので、収穫するブドウの品質チェックは欠かせません。

例えば、こんなブドウは捨てます。詰まっているように見える実もちぎって食べたら、渋くて、変な味でした。

Yescaにかかったブドウは、ハサミを媒介して感染する恐れがあるので、収穫すらしません。ブドウの実そのものは健康的だったので、食べてみたらとても酸っぱかったです。葉が枯れてしまっているので、光合成ができないため、糖度が上がらないのは当然の話。

こういう未熟な房は、ただ小さいだけでなくて、熟していません。食べてみたら、これも酸っぱくて渋かったです。色と形が健康的なものだけを収穫していきます。

先週の雨で、カビているものもありました。こういうブドウは論外です。

色がおかしいものは、味がおかしいという印なので、これも捨てます。

葉っぱの中に立派なブドウが隠れているので、最初（だけ）は宝探しみたいで楽しいです。

トラックでワイナリーまで収穫したブドウを運び、それをまた冷蔵庫に運びます。

冷蔵庫は-２０℃まで予め冷やしておき、ブドウを積み込みます。最終的には２℃くらいで一晩冷やし、凍る直前くらいまで冷やします。そうすることで、実が堅くなり、除梗のときにムダに実がこわれなくなります。余分な発酵をさせないという目的もあります。

ですので、今日の仕事はここまで。明日、選別テーブルで最終チェックし、除梗後、ステンレスタンクでマセレーションの工程に進みます。

フェリン（奥）とラミロ（手前）。ブドウの糖度を測っています。酸度とpHは別の機械で測ります。

糖度が高すぎる年は、ブドウを流水で洗うこともあるそうですが、今年はこのままで一晩冷やすことに決めたそうです。

-ワイナリー訪問, D.O.トロ