スペインワイン BUDO YA

スペインにあるワイン専門店BUDO YAです。ワイナリー観光、クオリティワインのご紹介、ワイン関連の通訳・翻訳などを承っております。

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Marqués de Closa Reserva 2007

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D.O.C.リオハの赤ワインです。醸造家は、ダビス・サンペドロ。1975年にリオハ県エルビジャール村で生まれた彼は、父親の仕事の関係ですぐにビトリア県に引っ越しますが、この地でブドウ農家をしていた祖父母の元でいつもバカンスを過ごしました。父方の祖父は、優秀なワインのブローカーだったそうです。牛やロバを使う昔ながらの農業を間近に見て育ち、一緒に働いてた動物や祖父母の死去に伴って、トラクターを使うようになった頃の変化もよく覚えているそうです。

リオハ・アラベサ地区にあたる、エルビジャール村は昔から品質の良いブドウの採れる地域でしたが、大きなワイナリーはありませんでした。後になって、ArtadiやRemírez de Ganuzaなど上質なワインを作るワイナリーが進出してきました。

ダビス・サンペドロは獣医を目指していましたが、スペインで初めてリオハ大学に醸造学科が開設されたので、幼い頃から大好きだったエルビジャール村でブドウ畑やワイン作りの手伝いをしながら、最新の醸造学を学ぶことが出来ました。卒業後、最初に仕事をしたのはリオハの老舗ワイナリー、ファウスティーノグループでした。

経験も知識も、そして何より素晴らしいブドウ畑も持っていたダビス・サンペドロが自分のワイン作りを始めるのは当然の成り行きで、現在ではリオハだけにとどまらず、ナバーラ、ウティエル・レケナ、シエラ・デ・サラマンカなどスペイン各地に活躍の場が広がっています。

ラウル・ペレスのワインが、飲む側にもちょっとした知識や経験を必要とする芸術肌だとすると、テルモ・ロドリゲスは、マーケットが求める常に安定した彼らしいワインを提供するモダンな経済家で、対するダビス・サンペドロは職人肌という感じがします。三人ともスペインワイン新潮流の立役者で、それぞれ素晴らしいワインを作りますが、ダビス・サンペドロのワインは、よりブドウの品種やテロワールに忠実で、誠実です。大きく言ってしまえば、よりスペインを感じるワインです。

今回飲んだのは、テンプラニーリョ80%、ガルナチャ15%、グラシアーノ5%で、24ヶ月新樽ではないフレンチオークで樽熟成。無濾過のオーガニックワインです。澱が多かったのでデキャンタしました。縁取りにややオレンジがかる紫色で、最初にチョコレートなど樽由来の香りがしました。グラスを揺すると、オレンジの皮を剥いたときのような感じでフレッシュなフルーツの香りが抜け出してきました。とても良いアロマです。

味わいは、まろやかですいすいと飲めます。後口に、丸くなったタンニンの甘さが、ちょうどオレンジピール入りのチョコレートを食べたときのような感じでふわりと残り、印象的です。ハーブも感じ、爽やかなワインです。酸味もしっかりしていて、お食事によく合うワインだと思います。今がちょうど飲み頃です。


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