スペインワイン BUDO YA

スペインにあるワイン専門店BUDO YAです。ワイナリー観光、クオリティワインのご紹介、ワイン関連の通訳・翻訳などを承っております。

ワイナリー訪問

バルコ・デル・コルネタ

醸造家のベアトリス・エランス・サンスさんは、放置された古樹を再生させる仕事を中心にしていましたが、セブレロス地方で古樹のガルナチャを再生させながら、ボデガス・ヒメネス・ランディでワイン作りの腕を磨きました。2008年から、両親の故郷であるバリャドリッド県ラ・セカ村で、この地の固有品種であるベルデホ種と取り組み始め、バルコ・デル・コルネタを作ります。ファーストビンテージは2010年。

生産量をこの地方の平均の約半分に抑え、伝統的な方法で栽培されたブドウを、野生酵母だけで、自然に醸造したベルデホは、個性的で、各地で絶賛されます。2014年からは、新しいプロジェクトにも取り組み始めたということで、ワイナリーに行ってきました。

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人懐こい笑顔が魅力的なベアトリスさん。青いラベルが「バルコ・デル・コルネタ」で、カエルのラベルが「クク ラ・ラナ・カンタバ」です。「カエルがくくぅって鳴いていた」という童謡からとった名前です。バルコ・デル・コルネタが300リットルの樽で発酵、熟成させているのに対し、ククはステンレスタンク発酵、熟成で樽は通していません。

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後ろに広がるのが「バルコ・デル・コルネタ丘」。ワインの名前の由来になっている場所です。樹の幹に近いところだけに、ブドウの房をつける剪定方法です。

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土質は、石英を含む砂質で、表面は小石に覆われています。粘土質な部分もあり、味わいに複雑味をもたらします。ビオディナミ農法を参考にしているそうです。バルコ・デル・コルネタは、テロワールを大切にし、伝統的な栽培方法を大切にするワイン哲学を同じとする、いくつかのワイナリーからなるグループ、ロカ・マードレのひとつです。

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2013年からは、本格的にベルデホ古樹の再生に取り組んでいます。この畑は、小さな村の住宅地にあり、樹齢は200年を超えるのではないかと言われているそうです。植え方もバラバラで、何年もきちんと手入れしてなかったので、すぐに望んだ品質のブドウはとれないそうですが、限りないポテンシャルを感じているそうです。反対側は斜面になっていて、数百メートルほど先にドゥエロ川が流れています。

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小さなプレス機。マウロ社から購入したそうです。300リットルのフレンチオークは、ベロンドラーデ社から購入した使用樽。ほんの少し、違うニュアンスを入れるため、昨年は、500リットル新樽を購入したそうです。

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亜硫酸を加えていない、ナチュラルワイン。お花のマークが目印です。マロラクティック発酵中でした。他の樽は亜硫酸をわずかに添加して乳酸菌を死滅させ、マロラクティック発酵をさせていません。

左のお家マークは、完成という意味。ボデガス・ヒメネス・ランディで、このマークを使っているそうです。

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バルコ・デル・コルネタをいくつもの樽から試飲させてもらいました。不思議なことに、同じ畑から採れたブドウを同じ醸造法で、同じメーカーの、同じ大きさの、同じ年代の樽で熟成中なのに、味わいもアロマも違います。このアロマと、このボディを組み合わせると、、、と考えるのが楽しいのだそうです。

古樹のベルデホを使った上級キュベも試作中でした。もう少し、バルコ・デル・コルネタとのキャラクターの違いをはっきりさせたいそうで、まだ発売はいつとは言えないそうです。

左は、ポルトガル国境の自然公園内にある畑で採れたフアン・ガルシアという固有品種の赤ワイン。まだ熟成途中ですが、すでに冷涼感があり、クリアな味わいでした。

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地域も、醸造方法もD.O.ルエダの基準を満たしているのですが、いわゆる典型的なルエダのベルデホではないということで、原産地呼称はビノス・デ・ラ・ティエラ・デ・カスティーリャ・イ・レオンを名乗ります。原産地呼称に拘らない、良質のワインが、最近、増えています。

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ラボラトリー兼事務室兼休憩室。収穫の忙しいときは、ここにマットを敷いて仮眠をとることもあるそうです。ベアトリスさんのお茶目な魅力がこんなところからも伝わってきます。

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日本向けに梱包されたバルコ・デル・コルネタ。
現在、クク ラ・ラナ・カンタバは日本未発売です。ご興味のある方は、BUDO YAまでお問い合わせください。



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